天才バカリズムの面白さから読み解く抽象化能力の高さ

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バカリズムと他の芸人との違い

よく天才と評される芸人の一人、バカリズム。

芸人は面白いことを1つ見出せると、ブレイクして有名になることができます。

リズムネタやフレーズネタ。大変なのはその後です。いずれ流行は廃れ、よりインパクトがある「次」を生み出せなければ一発屋として終わることになります。(もちろんそれだって一握りですが)

また多くの芸人は「次」をお笑いそのものに求め続けないことも傾向としてあります。

司会業や俳優やグルメ情報通など、お笑い芸人が提供するスキルは多方面でも活用できるため、テレビにおいて重宝されます。

「お前、お笑い芸人なのにお笑いやってないじゃん」

芸人が芸人に対して言うこの発言はかなり芸人のアイデンティティを揺るがすもののようです。

それも仕方がないのかもしれません。

お笑いの世界は残酷です。

芸人が出してきたものが赤点以下ならゴミだし、少なくとも80点以上じゃないと「面白い」にならなりません!

粗悪なものを出し続けると、これまでの功績まで否定され「つまらなくなった」、「飽きた」と言われ出演の機会さえ奪われる世界です。

あえて作品を出さないことで自身の価値を下げないようにするのはまるで芸術家のそれと同じです。

私はお笑いは芸術であると考えています。

そんな中、バカリズムは違うのです。

常に80点以上を出し続ける芸人

常に新しい笑いを求めて発見して、我々に見せてくれる。結果を出してくれる。

今回は彼の何が凄いのかに迫ってみます。

まずはこちらの作品を

①女子と女子 という作品

バカリズム – – – 「女子と女子」/『バカリズムライブ「なにかとなにか」』より
公式のyoutubeチャンネルをリンク

②都道府県の持ち方という作品

公式youtubeチャンネルで掲載していなかったので、リンクは張れませんが、都道府県の形のものをどう扱うかのネタです。

これらの作品を「面白い」発想と思った方は多いのではないでしょうか。

私ももちろん面白いと思った人間です。

ではこれらの作品の本質について検討していきます。

面白さの本質解説① 女子と女子

この面白さの本質を一言で表すなら「対象を実物以上に誇張してこき下ろすこと」です。

これは女子と女子のオーディオコメンタリーで、本人自体が言っていました。

「決して馬鹿にしてるわけじゃなく、何か誇張してコントにしたら面白いんじゃないかと思って、その題材がたまたま女子だった」

馬鹿にしていない、とは言っていますが、馬鹿にしていることにはなっていると思います。

しかしいいんです。面白い。。。。

ただ、この本質を我々は誰もが一度は見たことがあるはずなのです。

ものまね芸人のコロッケさんのロボット五木ひろし恐竜森進一さんです。この芸の面白さの本質と同様ではないでしょうか。

これは必要以上に本人たちの特徴を異常なまでに誇張して笑いにしています。

バカリズム風に言うならば

「決して馬鹿にしてるわけじゃなく、何か誇張してコントにしたら面白いんじゃないかと思って、その題材がたまたま森進一だった」

というところでしょう。

ただ、多くの人はバカリズムのこのコントとコロッケを結び付けないのです。

本質を具体化した後のものがあまりにも違いすぎるので、これはパクりではありません。

抽象化とは「枝葉を切り捨てて幹を見ること」です。本質をとらえることです。

バカリズムがコロッケのお笑いを見て、この本質を使って何かをしようと思ったのかはわかりません。

コロッケ以外の笑い、もしくはそもそも誰かのお笑い作品ではないところからこの笑いの本質に気づいたのかもしれません。

ただ間違いなく、バカリズムは笑いを生み出すことができる本質の1つを理解し、活用(具体化)することで芸人としての凄さを見せつけたのです。

面白さの本質解説② 都道府県の持ち方

この面白さの本質を一言で表すなら絶対に現実にないシチュエーションを真面目にこれ以上ないほどに考えつくすこと」です。

そんな状況あるわけないじゃん、っていうものを見つけてまるで本当にそれがあるようにリアリティを付加できたら凄く面白いんですよ。

都道府県を持つという行為自体が誰もやったことないわけです。

それをやったことも想像したこともないであろう人に、その上で更に発展させてみる。

この本質も笑いに使った別の例があります。

「温厚な上司の怒らせ方」という作品

簡単に説明すると、温厚な上司をわざわざ怒らせなければならない場面など実社会においてはありえないわけなんですが、それを真面目に様々な角度からアプローチしていく面白さです。

『 人の怒らせ方シリーズ 』- 古屋雄作 Official Website
古屋雄作のホームページです | 「人を怒らせる方法」をひたすら紹介する世界初の映像作品 / 『温厚な上司の怒らせ方』 / 『一番大切な人の怒らせ方』 / 『今さら人に聞けない!怒らせ方講座』

「夢をかなえるゾウ」の作者としても有名な水野敬也さんがプロデューサーとして関わった作品です。

温厚な上司をわざわざ怒らせなければならないという状況が、まず現実世界には存在しないわけです。そのうえで、様々な怒らせる方法を考え出して、検証していく。

更なるリアリティを生み出すために教授というキャラクターまで用意する手の込みよう。

本質は同じであると断じて良いと考えます。

また水野さんグループはこの本質を違う題材にすれば、違うエンターテインメントとして昇華できると考えて

『 スカイフィッシュの捕まえ方 』- 古屋雄作 Official Website
古屋雄作のホームページです | 未確認生物スカイフィッシュの捕まえ方をひたすら紹介致します!【国内編】【サイエンスジャーニー編】【板尾創路編】の全三部作。

「スカイフィッシュの捕まえ方」という作品でも活用していますね。

これもスカイフィッシュという実際には存在しないものを捕まえるためにどうすればよいのかをこれ以上ないというほどに考えつくした作品です。

この本質もバカリズムだけが扱ったものではありません。

しかし、バカリズムの個性として認識されるのです。

抽象度が高いものは、多くの人が同一のものであると気づきにくいのです。

バカリズムが持つ高いスキルは何か?

これらのことからバカリズムは世の中の笑いの本質を探しているというのは伝わったかと思います。

バカリズムは1発屋や、コントネタのマイナーチェンジで生き残ることを毛嫌いしています(しているように見える)。

同じ本質のものを量産したがらないのです。

恐らくそれは、バカリズム自身が抽象化能力が高い故に「同じじゃないか、つまらん」とそういったものについて面白いと思えないことが原因です。

気づかないお笑い芸人はバカリズムが嫌いであろう「本質が同じ笑いの量産」をし続けます。

彼らだって嫌なはずです。ただ彼ら自身、自分たちがつかんだお笑いの本質の一つを捨て去り、新たな笑いの本質を探すことができないでいるのです。

バカリズムの凄さは2つです。

1つ目はずっと言い続けてきた抽象化思考です。

ことの本質を見極める思考。

これらは我々が社会で働く上でも非常に大切なことです。

2つ目は具体化思考です。

本質をとらえただけではネタはできません。

それをどう具体的にするか?

女子のいやらしさ、おかしさは具体的にはどんな言動なのか???

これが発想できなければ形にできません。コントとして成立しません。

この思考の土台には日常への鋭い観察眼等も必要となりますが、非常に高いスキルです。

実はこれらは初対面で話していて「あ、この人賢いな」と思う瞬間と似ています。

大体、私たちは話をしてみればできる人かできない人かというのは何となくわかります。

その一端が今回の能力です。

できる人は会話するうえで、わかりにくいところには豊富な具体例を出してくれ、話が発散したときには「要するに」とまとめてくれます。

これは正に抽象化能力と具体化能力が高くないとできない芸当です。

いかがでしたでしょうか。皆さんもバカリズムを見習って世の中の真理(今回は笑いでしたが、他にも多くの分野で真理はあります)を解き明かし、活用していきましょう。

本の紹介 具体と抽象


具体と抽象 ―世界が変わって見える知性のしくみ

具体化思考と抽象化思考はこちらの本が非常にわかりやすいです。ご一読をおすすめします。

くりいむしちゅー上田さん評はこちら

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