新海誠『天気の子』賛否両論の理由を考察

未分類
映画『天気の子』公式サイト
全世界待望ー前作『君の名は。』から3年、新海誠監督、待望の最新作!『天気の子』7月19日公開 これは、僕と彼女だけが知っている、世界の秘密についての物語

こんにちはel2です。
「天気の子」を観てきました。

私は『君の名は。』に心が動かされた人間です。
今回もまたあの感覚を味わえるのではと期待して観に行ってきました。

新海誠監督作品の大ファンというわけではないので、
一般的な感覚を持つ観客だと思います。

ネットを見る限り賛否両論を巻き起こしている本作を先日観に行きました。

私の感想は残念ながら感動できるものではありませんでした。
(恐らく興行収入も『君の名は。』には及ばないでしょう)

私は『否』サイドですが、なぜこうまで意見が割れるのかが非常に気になりましたので、分析してみました。

●多くの観客は映画に感情移入を求めている

映画というコンテンツに一般の人が求めているのは

物語が心に響くかどうかだと思います。

すなわちキャラクターに感情移入し感動できるかです。

●『君の名は。』が感情移入に成功した理由

『君の名は。』はかなり奇跡のような作品でした。

大多数の日本国民に感情移入させることに成功しているからです。

『君の名は。』は、「想定外の自然災害により多大な犠牲者が発生した」という点で、東日本大震災と抽象化すれば同じものです。

実際に起きてしまったあの天災に対して、親しい人が犠牲者となった人もならなかった人も、あの頃の連日の痛ましいニュース。自粛の雰囲気。心ある人の支援を見聞きし「もし未然にわかったら救えたのに」という思いを抱いた人は非常に多いはずです。

だからこそ、『君の名は。』の瀧くんが、半信半疑の大人たちを前にダイナマイト使用などの違法行為をしても、「これはなすべきことをなしている!」という観客の感情移入(共感)を得ることができたのです。

最後に救えたときに、この映画を東日本大震災とリンクしていた観客は、良かったと心から思えたのです(感動)。

作者もそれは自身で語っております。

 

『君の名は。』は、男女の入れ替わりで始まります。ヒロインの宮水三葉(みやみず・みつは)が、東京の男の子になるコミカルな話ですが、最終的には東京の立花瀧(たちばな・たき)が「もしも自分が、消えてしまったあの町に住んでいたら…」と考える物語に変わります。僕たちが2011年以降にずっと想像していた「もしも私があなただったら…」という想像力が、そのまま映画の中にあります。それが無意識のうちに、たくさんの日本人の観客にリンクしたのかもしれない、と思っています。

引用:https://www.huffingtonpost.jp/2016/12/20/makoto-shinkai_n_13739354.html


まあそれはフィクションの世界での救済です。実際には救われなかった人たちがいるわけですから、割り切れない人は良いとは思えないでしょう。


少ないとは思いますが、「もし未然にわかったら救えたのに」と思えない人種には映画のヒットはそもそもワケがわからないでしょうね。


他にも東日本大震災と共通概念だと認識できない人も「ただの空想じゃないか」と大して響かないでしょう。

●じゃあ「天気の子』は?

家出高校生の主人公に感情移入ができない

『君の名は。』の主人公はどこにでもいそうな都会の高校生って感じだったんですけど、本作では捜索願いが出される家出高校生なんです。

まずその時点で、そんな経験がない一般人には感情移入が難しいのに、家出した理由が映画ではほぼ明かされないんです。

離島の閉塞感の中、雲間から差す日差しを追いかけていったら島の外に移動したから…..

??えっ??

って感じなんですけど、事実そうですからね。

映画を見て、主人公である帆高の過去や家出の理由が描かれなかったことが気になった人も多いだろう。新海監督のなかで多少の迷いはあったそうだが、企画当初から考えていた「前を向いたまま止まらずに転がり続ける少年少女の話」を貫徹させるため、帆高の人物像は変えなかった。
新海「主人公が過去のトラウマを克服するために何かをさせるのは、気分として今回はやりたくないなと考えていました。仮に描いたとしても、凡庸などこかで見た話にしかならないと思いましたから」

引用   https://eiga.com/movie/90444/interview/

行動理念なので必要だと思います。トラウマにするのが凡庸なのであって、凡庸ではない理由を考えてほしかったところです。

主人公の引く言動は作品全体を通して一貫しております。

強風だから船の甲板に出るなよ、出るなよ!ってアナウンスされてるのに
「うわー!」とか言って出て行って挙句飛ばされて死にそうになりますし。

特に意味もなく線路をマラソンします。
(途中から道路を走ってもいいはず。絵になるからこういうシーンにするんですかね?)

作中では色々と主人公を助けてくれた圭介に銃口を向けます。


これらの行動は、新海誠監督的には誰もが持っていた子供のころの純粋さを表現してるつもりなのかもしれませんが、


ここまで来たらもう立派な問題人物というか。。。

ヒロインもヒロインでして、ヒロインが自分や弟だけで生きたいのを社会が邪魔するっていう構図なんですけど、


ヒロインが危なっかしくてヒロインに感情移入ができないんですよ。


15歳が弟と暮らすために風俗で働こうとするんですよ。
弟がこの先、自分のために姉が風俗嬢になってしまったと苦悩する姿とか考えられないんですかね。

こういう描写を観ていると社会ルールの方がマシなんじゃないかって思えてくるんですよ


もうね、監督的には

 子供の純粋な思い VS  常識にとらわれた大人たち(社会)

って構図で子供の純粋な思い側に感情移入してもらって、最後の愛を選ぶってとこで感動してほしいのでしょうけど、


あまりにも作中の子供たちが他人の思いを蔑ろにしすぎてて、もうちょっと自重しましようよという気持ちになりましたね。


新海 「賛否両論があるんじゃないか」という意味は、単純に、帆高という少年が大事な人のために法にそむく行動もとるんですね。

社会のルールを犯すような人をとにかくそれだけで許せないっていう人もたくさんいると思います。

そういう意味で帆高を許せないし、彼が叫んだあるセリフを受けて、この主人公には全く感情移入できないという人もいっぱい出てくるであろうと思ってました

それはもう、そういう話なんだから(そういう人が)出てくるのはしょうがないと。

引用:https://kai-you.net/article/66464


こうも言っていますが、法にそむく行動の他にも子供ならではの純粋さでは看過できない部分がありすぎて感情移入できませんでした。

クライマックスでは、好きな子をとるか世界平和をとるかで悩むんですけど、そこは好きな子でいいと思います。異論はありません。そもそも好きな子は悪いことしてないし。勝手に割の合わない取引きで人柱にされた被害者ですし。

まとめ

やはり色々と考えて感情移入できない人にはこの物語は響かないです。

逆に家族が心配するとか関係ないし、家出したっていいじゃん!意味わかんない!とか考える人には響くと思います。(10代か?)


あと映像とか音楽とかキャラクターデザインとか目当ての人は観るといいと思います。

コメント

タイトルとURLをコピーしました