那貴(ナキ)とは
ナキは元桓騎軍の側近であり、途中で飛信隊入りをした千人将。
イケメンで冷静沈着(慶舎を討った後でも「あんたら浮かれてる場合じゃないぜ」とひとり冷静でした)。
武も雷土に勝るとも劣らないほどで今後の飛信隊の更なる活躍において重要な働きをするであろう人材です。
初出はキングダム41巻 第442話 「似た者同士」です。
(合掌軍戦などからつぶさに読み返しましたがそれらしきキャラはいませんでした)
桓騎軍の側近5人衆の一人でした。


左もみあげカーブが摩論、右もみあげカーブがナキ様。おしゃれな人は右のもみあげをカーブさせるものです。
(注意:もみあげではなく恐らく入れ墨)
側近内での序列は将の位から読み解くと以下と予想しております。
・雷土(No.2)
・摩論(5千人将)
・黒桜(5千人将)
・厘玉(りんぎょく)・ 那貴(千人将)
(お笑い担当:オギコ(千人将))
なぜ、那貴は側近となるまで認められていたのに、飛信隊に移ったのでしょうか。
それにはまず桓騎軍自体を知る必要があります。
桓騎(かんき)軍の特徴

一言でいえば「超ブラック外資系企業」ではないでしょうか。
桓騎軍の特徴① 失敗時はペナルティ
外資系企業のイメージと言えば、常に高い業績が求められ、自分に与えられた職責を果たせなければ解雇。「会社に来たら自分の席がなかった」みたいな文化がありますよね。
実際の桓騎軍は更に酷く、信は失敗したら片腕を切り落とされる寸前までいってしましたし、その後も失敗したら砂鬼一家という拷問集団を送るとも脅されていました。
桓騎軍の特徴② 略奪したものは自分のものにしてOK
ただもちろん過酷な労働環境を受け入れるに値するメリットもあるわけです。
それが報酬の大きさです。
キングダム42巻 第442話 「似た者同士」では桓騎軍が道中の村々を襲って歩兵でも宝石を略奪してもらっているような描写があります。
外資系企業が高給取りなように、桓騎軍もその点は非常に良いのです。
桓騎軍の歩兵が宝石をぶら下げている描写が出ており、略奪したものは献上しなくてOKという文化が読み取れます。

・・・でも戦うときに持ってたら敵に自分が狙われないか?・・・ということは宝石は戦う前に下のように処分するのか?
桓騎軍の野営地には娼婦が呼び集められており、男たちが豪遊している様子がわかります。

・・・ということは、宝石は戦う前に使ってしまうんじゃないか。
そもそも貯金とは無縁そうなメンバーばかりだし。
『宝石を与える(調達させる)⇒娼婦をあてがう⇒回収する』の黄金サイクルにより、桓騎軍内において経済が成り立っているのか?

経済を裏で牛耳っているとしたら一番怪しいのは摩論
ちょっと脱線しましたが、やったら(殺ったら?)やった分だけ収入に直結するのは実力がある人にとってはありがたいのです。
桓騎軍の特徴③ 他軍との隊員交換制度
開戦当初に隊員の交換が桓騎軍から提案されました。桓騎軍ではいつもやってるやり方とのこと。そこで飛信隊からは尾平。桓騎軍からは那貴が選出されました。
目的は「お互いの軍のことを理解して連携するため」とのことでしたが、実体は違いましたね。
終戦後、隊員交換の実体は「飛信隊を監視するため」であったことが明かされるのです。
摩論「くれぐれもさぼらぬようお願いしますよ 監視役の那貴さんはもう桓騎軍に戻りましたので」
引用:キングダム第45巻 第484話 それぞれの出発
桓騎軍にとって不都合なことをしたら桓騎に密告して、処分するつもりだったのでしょうね。
あと恐らく桓騎軍に都合よく働かせるための役割もあったはずです。
(実際に後半で、「何が援軍だ。あれはきっと俺らを餌にして慶舎を仕留めようとしやがったんだ」と信が憤慨する場面もあります)
理不尽な命令(例:汚れ役)を強制させるための人質でもあったと考えます。
「お前のところの大事な奴がどうなってもいいんだな?」と言うでしょうね
だからこそ、古参(=隊にとって重要な人)を交換人員にしたのでしょう。
那貴がはじめに「この中に古参の人とかいる?」と聞いていました。
那貴もそれがわかっているから、桓騎軍の真意に飛信隊の誰かが勘付く前に交換を済ましておきたかったのでしょう。
尾平を見て、那貴は「そ、今すぐ。お頭待つの嫌いだから」と即断即決を促し、信に話した際にはことを済ませておりました。
(このあたりが地味にいい仕事してるんですよ)
桓騎軍の特徴④ 絶体絶命時は自分の命最優先でOK
慶舎の策にはまり、雷土とゼノウが危機に陥った際に火兎(かと)という笛を鳴らして全員が正に脱兎のごとく逃げるシーンがありました。
この飛散したことが吉と出て趙は将(雷土)を討つことができませんでした。
金でつながっている組織なだけあって、金を使えない状態(死)になったらつながっていることに意味がないので、将を守るという動きは全くありませんでした。
この当たりは桓騎軍の付け入られる隙でもありますよね。
実際にそういう特徴を知っていれば、火兎がなった際、将の周りに近衛兵はいないわけですから、 桓騎 を討つために戦力を集中する必要はありません。逆に戦力を分散させて 桓騎が包囲網にかかるのを待つ戦略が有効であるとわかります。
この当たりなどが、 慶舎 や李牧が言う桓騎の弱点に通じるのかなと思います。
心変わり
一家の長として、付いてきてくれる部下たちを食べさせなければならない責任がある那貴はこの桓騎軍を選んだのでした。
しかし、金だけが報酬ではないなと思ったわけですよ。
- 責任感の大きさで川を渡る大業をなした渕(えん)さん(桓騎軍に責任感や忠誠はない)
- 「失敗は俺のクビをかけて挽回する」と自ら進んで言う 河了貂(かりょう てん) 。(桓騎軍は脅しを前提とした脅迫)
- 自らが傷つき戦って隊を鼓舞する信(桓騎は奇襲はするけど戦わない)
- 鼓舞されて通常の力以上のものを出す隊員たち(慶舎戦で那貴は慶舎の側近にはかなわないと思ったのに隊員たちは対抗できたので驚き)
- 5騎で慶舎に奇襲をかけて時間稼ぎをした自分にびっくり
- 尾平が殴られて冷静なはずの自分が雷土の部下を殺してしまうほど飛信隊に仲間意識を持ってしまった自分にびっくり
これらのことが、働く上で人間関係も大切だと思ったわけです。
実際にリクナビネクストが出している退職理由でも給料は4位ですし。
1位:上司・経営者の仕事の仕方が気に入らなかった(23%)
リクナビネクスト https://next.rikunabi.com/tenshokuknowhow/archives/4982/
2位:労働時間・環境が不満だった(14%)
3位:同僚・先輩・後輩とうまくいかなかった(13%)
4位:給与が低かった(12%)
5位:仕事内容が面白くなかった(9%)
いつの時代も人間の感情は不変です。
そういう意味合いが、あの名言である…

「飛信隊(あっち)で食う飯って、うまいんスよね 意外と」 (=あなたが差し出すインセンティブが全てじゃない)
という台詞に表われるわけですね。
洒落っ気を交えた表現によって、桓騎軍自体を根底から覆すこの真意をカモフラージュしているところが流石としか言いようがありません。
那貴(ナキ)の飛信隊正式加入場面を紹介
最後に那貴が飛信隊に入るコマを紹介させてください。
漫画では飛信隊に行かせたくない雷土たちと激しくやりあってケガした那貴一家が、信たちの下に来るコマと、何やら話しているコマで正式加入となりました。
最後のコマは、作者の手書き文字のためやりとりが正確に読み取れないんですよ!

???の部分はどんなに拡大しても解読できなかった部分です。
那貴がケガのことを聞かれても「転んだ」とか適当なことを言いそうだなぁと思いつつも一部不明でした。
もし目の良さと読解力がある人はコメントで教えていただければ嬉しいです!
今回紹介したキングダムの巻はこちらになります。

キングダム 42 (ヤングジャンプコミックスDIGITAL)



コメント
こんばんは。
私も那貴に心揺れた一人です。
同じように拡大して何が書いてあるか必死で読み解いていたので、同じことをやっている人がいて、ニヤニヤしてしまいました。
私が解読したところによると、
「う〜」
「いてて」
「ナキさん何でここに….」
「ってかそのケガは」
那貴「ちょっとな」
那貴「大将は?」
「何かいっぱいきたぞ」
「ナキだ」
「え?」
ではないかと思われます(^_^)
たかさんはじめまして!
コメントありがとうございます!
おお!私がわからなかった部分が解き明かされている笑
コマ拡大分析やりますよね!
共有できてうれしいです!
ちなみに私は飛信隊が信の天幕にわらわらと集まっているコマで、ナキがいるか一人ずつ確認もしました!
私が見た限りだと残念ながらいなかったのですが、もしかしてなさったのでは笑???